研究室紹介


Experimental Rational-Drug Design Section

私たちは、災害科学国際研究所・医学系研究科・大学病院・東北メディカルメガバンク機構に所属し、ウイルス、細胞、細菌に対する創薬技術を研究・開発しています。

新型コロナウイルス感染症も国民の約2割が感染するありふれた感染症と理解されるようになってきています。実際に行動制限もなくなり、日常を取り戻しつつあります。私たちの研究室では、災害研、感染対策委員長として兼務している東北大病院、医学部、東北メディカル・メガバンク機構にとどまらず、全学レベルでの感染対策の傍ら、関連する共同研究も推し進めています。

日本たばこ産業株式会社と共同でStribildの主成分のひとつであるHIVインテグレースを阻害するelvitegravirを開発しました。Stribildは1日1錠1回服用でこれまで複数錠を1日2回もしくは3回服用しなければならなかったHIV感染症の治療を大きく改善させました。このelvitegravirは平成28年7月8日からGenvoya配合剤としても臨床応用されています。


HIV逆転写酵素のtranslocation阻害という新たな阻害機序を有する4'-ethynyl-2-fluoro-2'-deoxyadenosine(EFdA)をヤマサ醤油株式会社とともに開発し、米国メルク社で臨床開発が進められております。EFdA/MK-8591の10 mgの1錠を1回服用するだけで10日間もその強い効果が持続することがわかっています。現在Phase IIIの臨床試験が行われています。


HIV以外でも、慢性活動性EBV感染症(CAEBV)に効果を示す核酸誘導体S-FMAUを見出し、現在、東京医科歯科大学、成育医療研究センター、聖マリアンナ医科大学と共同研究で臨床応用を目指しています。S-FMAUは平成26年度と平成28年度の橋渡し研究、平成29年度から革新的がん研究として採択され、アカデミア主導で前臨床試験が終了し、医師主導治験を目指しています。

新型コロナウイルス、ヘルペスウイルス、RSウイルス、麻疹ウイルス、インフルエンザウイルス、B型肝炎ウイルス、多剤耐性菌なども手がけています。特に新型コロナウイルスではBSL3/P3施設を有しており、感染性ウイルスを扱うことが可能です。また遺伝子組み換えでは大臣確認を取っており、幅広い研究を可能としています。

共同研究・共同開発に限らず、化合物の生物活性測定のみの依頼やアッセイ系のアウトソーシングも受け付けています。お気軽にお問い合わせください。


研究理念

私たちは「科学立国に貢献することを目的とし、創薬から産学官を
活性化させるとともに次世代に向けた有能な研究者輩出を目標」

しています。

治療薬を必要としているかただけでなく、我々研究者や学生も含め
てひろく「安心」を提供することを理念としています。

私たちの理念に「共感」していただけるかたの参加をお待ちしてい
ます。


新着情報

2023.1.1:  うさぎ小屋更新
2022.11.20:  論文を更新しました
2022.11.10:宮城県古川高等学校の一年生5名が来学してくれました
2022.11.6:「第61回 日本臨床細胞学会秋季大会」専門医認定講習